2013.3.15

都市基盤整備基金に６億３千万円積み増しについて反対討論

日本共産党　赤星ゆかり

　ただいま議題となっております議案第５７号平成２４年度富山市一般会計補正予算（第８号）にたいして、日本共産党の反対討論を行います。

　反対なのは、貴重な一般財源を「都市基盤整備基金」に６億２８２２万２千円を積み立てる件です。

　２００５年の７市町村合併以来、この「基金」は、富山港線路面電車化及び関連事業、富山駅周辺整備や市内電車環状線化や中心市街地の再開発事業など、主に中心部の大型事業に使われてきました。

　補正の積立をする前の今年度末残高は１５億８４４１万円あります。

　新年度当初予算では、富山駅周辺整備事業、富山港線路面電車事業、西町南地区市街地再開発事業、総曲輪西地区市街地再開発事業、まちなか居住推進事業費、公共交通沿線居住推進事業、山室第２土地区画整理事業、富山駅周辺土地区画整理事業に計６億３千万円、今度の積立分がそっくり使われる予定になっています。

　議案説明資料で「補正の目的」は「将来の富山市の骨格を形成するにあたり、事業費の平準化をはかるため」に積み立てるとされていますが、今年度増えた貴重な市税収入による一般財源をそっくりこれらの事業費にまわす、という形になります。

　経済効果の面でも、これらの事業で使われるお金はほとんど、結果的には大手ゼネコン関連やマンション販売業者にまわり、地元の経済浮揚にはなりません。

　この基金に積んだお金を取り崩しできるのは「都市基盤整備に関する事業の財源に充てる場合に限」られています。早急に求められる学校の耐震化工事や、身近な道路、河川・水路の改修などには充てられません。

　市民が必死で働いて納めた税金です。中心部の大型事業にドンと投下するのではなく、市内どの地域に住んでいても、市民生活に身近で密着した事業に優先的に使い、地元の中小企業に仕事がまわり、市民の所得が増えていくことにつながる「再投資」をするべきです。そのことが税金を払う力のアップにつながっていくものです。

　昨日、中山議員の一般質問で取り上げた、学校耐震化やクーラー設置、住宅の耐震化・バリアフリー化、市営住宅の改修、また、各地域の浸水対策、児童館・学童保育の整備など、市民の生命と財産をまもり、安心安全にくらせるための施策で、早急に必要な事業はいくらでもあるではないですか。

　滑川市は、国の緊急経済対策予算を活用し、１億５千万円で、市内の全小中学校９校にクーラーを設置します。昨年９月、富山市内の新しい校舎の小学校を訪れたとき、教室の温湿度計は、気温２９℃、湿度６０％を指していて、蒸し暑い中で子どもたちはいました。富山市の全小中学校の教室にクーラーをつけるには約２４億円必要ですが、年次計画をたて、すすめるべきではないですか。

　富山市の市営住宅の一部は荒れ果てボロボロです。そういう住宅団地から、遠く中心部のピカピカな高層ビルが見えるのが、リアルな富山市です。

　国民健康保険料の値上げが提案されていますが、今回の保険料値上げで増える保険料収入は5億6594万5千円。スポーツ施設の利用料金１０％の値上げによる増加分は1400万円の見込みです。これらに充てれば、値上げを回避できるではありませんか！

　日本共産党市議団が行なっているアンケートに寄せられた回答には、

「『市道』全道の街灯や道路整備等の施設整備に投入してほしい」

「消雪パイプの出ないところがある。計画的にやり直してほしい」

「学童保育をもっと充実させてほしい」

「除雪車が以前より、来る回数が減った」

「地方〈山間部〉などがさびれていく。地方に活気を！！」

「中心部ばかり話題になるが、旧郡部の方にも細やかに目を向けるべき」

など、たくさんの意見・要望が書き込まれています。

　こうした市民の切実な要求に、すぐにこたえる市政に転換すべきです。こうした事業には「予算がない」「財政がきびしい」と繰り返し、市民が苦労して納めた税金をかき集めて、せっせと中心部の大型事業につぎ込む、こういう税金の使い方には、キッパリ反対です。

　議員のみなさんは、率直にいってどうお考えなのでしょうか？　

　他の会派の議員のみなさんにも、反対されることを呼びかけて、補正予算への反対討論といたします。