『用語辞典』

 

・『藍水ヶ原(あおみずがはら)()

…南北を山に、周囲を「壁」で囲まれた大規模な魔導力実験地域。

「壁」とは言っても検問などは存在せず元は工場などの運搬ルートに使用されていた物を

道路として繋げた結果に過ぎない。緑豊かな街でありながら、一方で都市内の施設も

様々な面で充実している。またこの都市の特徴として、機士が通常の都市部よりも

かなり高い比率で自然発生する点が挙げられている。

・『藍水ヶ原』略史

…「藍水ヶ原」とは元々この地域一帯の名称であり、今から半世紀ほど前までは

山に挟まれ、大河に貫かれた平野に農村が点在するような地域であった。

そして今から75年前、一つの企業がこの地域に目を付け工場が建設される

だが同時に工場から出る排気や排水が深刻な環境汚染をもたらし、

地元民との間で闘争が発生、しかし住民にとっても工場が存在する利益は

無視出来る物では無く、議論は停滞していた。

そんな時、『魔導力実験都市プロジェクト』が持ち上がる。元々昔から「機士」が

自然発生率が高いエリアであるこの地域に、魔導力システムの一大実験都市を

作ろうと言う計画。今でも未知の部分が多い魔導力の使用を不安視する声は

少なくなかったが計画は受領され、徐々に開発が進行して行く事になる。

そして今から20年ほど前、街はようやく現在の形となるのであった。

 

・『藍水ヶ原大学付属中学・高等学校』(学校)

…街の真ん中近くに広大な敷地を持つ街唯一の大学とその付属中・高校。

優秀者への奨学金制度なども充実しており、優秀な人材の発掘には余念がない。

学校の標語は「止水に映る自身を顧みよ。解は何時も其処に在る。」

 

 

 

 

 

 

・『アクチュアライズ・トリガー』(機士用語)

…通称『トリガー』。街の機士が機体の召喚の前段階として召喚する装具のこと。

機士の性質が発現すると同時に入手するとされ、その形状はペンダント、バングル、

指輪などヒトによって様々である。全ての装具はアルケメタルで構成され、

どこかに澄んだ色の結晶体が埋め込まれている。

 

・『アクチュアライズ・リリース』(機士用語)

…通称「リリース」。本来は能動的な物も含んだ機体の召喚解除の事を指すが、

一般的には機士が戦闘によって体力・精神力・魔導力を消費して行った結果、

機体を顕在化させることが不可能になった状態のことを指す。

街の試合では、基本的には一度でもこの状態になれば試合終了となる。

 

・『錬成人形(アルケミー・マキナ)』(技術)

…通常機体の召喚は「ヒト」を対価に行なう。この原理を応用すれば、一定量の

顕在化アルケメタルを対価にヒトの体を構成できるという理論、またこの技術によって

誕生した生命体の事も指す。しかしあくまでこれは『理論上』の話であり、現在発見

されている顕在化アルケメタルの総量ですら理論上の必要量の一万分の一以下。

到底無理な話である。

 

・『アルケメタル』(物質)

…「機体」の装甲を構成する特殊な金属物質。「こちら側」に存在する物質と比較して

異常なまでの強度、硬度、粘性を誇り、こちら側の物質では傷一つ付けられず、削ること

も叶わない。また、召喚された機体のアルケメタルは周囲の魔導力を瞬時に励起、

そして鎮静化からの回復を発生させることが確認されている。

( →機体  →顕在型アルケメタル )

 

 

 

 

 

 

・『精霊教会(エレメンタリィ・ユニオン)』(組織)

…謎の存在「エレメント」を神格化し、その力を崇める集団。エレメントの力が

悪用されないようにとの目的の下に行動しているが、その内部は一枚岩ではなく、

実は保護の名目でエレメントの力を掌握しようとしているという不穏な動きも

噂されている。

( →エレメント  →精霊守護者(エレメント・ガーディアン) )

 

・『エレメント』(生命体)

…正体不明の生物群の総称。類稀なる魔導力制御・供給能力を有し、

機体と融合することによって機士に大きな力を与える。また、1st、2nd、3rd

という形態を有し、基本的に3rdフォームにおいて機体との合体が可能となる。

その姿も様々であり、一見通常の動物と見分けがつかないモノから、伝説上の

生き物に酷似した存在まで、その姿は様々である。

 

・『精霊守護者(エレメント・ガーディアン)』(職業)

…精霊教会に所属する実働部隊。機士で構成されているが、その志望理由もまた

精霊教会内部並に混沌としているらしい。

 

・『オートプレパレーション』(技術)

機士が多い『藍水ヶ原』において一般人への被害を軽減しようと開発された技術。

現在では広く全世界で運用されるに至っている。

簡単に言うと都市内部や近辺で機体同士による戦闘が行なわれた際に自動的に

周囲の環境をフィードバック、バトル用の絶対空間を「準備する」システムである。

この対策のお陰か現在一般の人々は機士や機体に対してマイナスのイメージは

持っておらず、寧ろ機士同士の公開試合はスポーツのような感覚で浸透している。

 

・『回帰型アタックモード』(機士用語)

…仮称「リバイブモード」。数名の機士において発動が確認されている特殊な

アタックモード。通常のアタックモードが外部に向けて魔導力を開放して

絶大な出力を得るのに対し、回帰型アタックモードでは機体に魔導力を回帰させ、

一時的に機体の性能を大幅に引き上げる事を可能としている。

アタックモードと異なり、高出力での継続戦闘を可能とするが、一方では

強化された機体の動きに機士自身がついていけなければ、その真の性能は

発揮できないと考えられている。

( →機体運用システム(別項) )

 

・『学校』(施設)

…藍水ヶ原街の中に在る中学・高校は、土地の関係から街の開発に伴なって全て

中高一貫校として統一されている。また、基本のカリキュラムなども地域内で統一しているため、編入などは試験に合格すれば比較的自由に行なえる。また、早い段階から

研究機関が充実している学校も多いため外部からの受験者も多い。

 

・『風祭(かざまつり)中学・高等学校(学校)

…街の北東部に在る「普通の」学校。特に特化された部分も無く、いたって普通な高校

である。だが年に一回三日かけて行なわれる学園祭の時の盛り上がりは尋常ではなく、

規模では圧倒的に勝る藍水も敢えて時期を半年ずらして学園祭を行なっているとすら

噂される。標語は「日常、普通の中にこそ真の楽しみは在り」

 

・『カノープス・セキュリティ』(組織)

…街の中で起こる機士絡みの事件を解決する事を目的として結成された

民間警備会社…のハズなのだが、大抵の場合機士絡みの事件はそもそも

発見されない、或いは民間の有志が勝手に解決して警察に通報するため、

本業は開店休業状態。現在は地域の便利屋と化しており、そちらの収益の方が多い

管理局からの特殊な案件の調査を独自に請け負っているとの噂も存在するが、

大抵は「まさかねぇ・・・」と単なる噂として流されてしまうのが通例である。

 

・『機士』(機士用語)

…周囲に存在する魔導力を励起させ、「機体」を召喚できる人物のこと。

自然に機士となる場合が殆どであるが、藍水ヶ原では特にその発生率が高い。

また、「儀式」によって特定の機体フレームを継承する事例も存在するらしい。

普通は体の一部に紋章が浮かんだ後に召喚を行ない、

藍水ヶ原の様に「トリガー」を用いるのは稀。

(→機体  →トリガー →ナイトデュエリスト →ナイトチャネリング →街の機士)

 

・機士認証(行政)

…藍水ヶ原において機士である者が行なうべき義務。これは行政上の区別では無く、

例えば機士である者が事故などによって重傷を負った時などに暴走した精神状態

から発生するイレギュラーな事態を警戒できるように、との配慮である。

言わば血液型を申請するのに近い。

また、一種の住民票でもあり外部から来た根無し草の旅人でも

一応これを済ませておけば藍水ヶ原に逗留することが可能となる。

因みに機士であることによる行政上のサービスなどのメリットなどは一切ないので、

不公平感などは生まれていない。

 

 

・『機体』(機士用語)

…機士がその肉体を対価として別次元から召喚するアルケメタル製の巨人。

機体は常時周囲の魔導力を励起・回復させ、それを吸収して動力とする、

また機体は召喚時に機士の体その物となるため、稼働には機士の体力、

精神力を必要とする。

( →機体運用システム(別項) )

 

・『旧街区』(場所)

…エリアの中心から離れた場所にある元々の藍水ヶ原の町並みを多く残すエリア。

何処か懐かしさを感じさせる雰囲気から街の人からも人気が有る。

神社仏閣などの宗教施設も多い。特に北東区画に多く残る。

 

・『旭日の熾獅』(神話)

…藍水ヶ原近郊に伝わる伝説の存在。かつて世界が光を失った時、己の体を熾して

世界に再び光を取り戻したと伝えられる。その確固たる意志は今でも世界を見守り

己の道に邁進する者に力を貸し与えてくれると伝えられている。

(→熾獅翁神社)

 

 

・『区画周回バス』(交通)

…藍水ヶ原地域の面での交通をサポートする区画周回のバス。

藍水ヶ原の北東部、北西部、南東部、南西部の四つの区画を様々なルートを周回し、

地域の交通をサポートする。大体十分に一本は通る。なお、藍水ヶ原の各交通網は

市役所の管理の下で、地域独自の管理が行なわれている。

 

・『クラック』(現象)

…テリトリーブレイクを発症した機士のセレスティアルセグメンタに発生している破損状況

の事を言う。より深く大規模に傷ついている場合は『クレバス』と呼称される。

この現象が回復すれば機体を再度召喚できるようになる。

クラック程度ならしばらく待てば自然修復するようだが、クレバス以上になると修復方法

について明確な解は存在しておらず、また機体の記憶も完全にリセットされてしまう。

現在も様々な方面からのアプローチが取り組まれている事項である。

 

・『魔導結晶化現象(クリスタライズ) (現象)

…「モンスター」が人を捕食するために起こす現象。捕食を行なうために

モンスターは先ず特殊な周波数の電波を発生させてヒトの精神を破壊し

その後アルケメタルへと「変化させて」から捕食を行なう

捕食する部位だけを結晶化させるので、それ以外の部位は生きたままである

 

・『結晶クジラ』(生物)

…日暮浜沖合に、数年に一度その姿を見せる巨大なクジラ。

背中を覆うように顕在型アルケメタルが晶出しており、非常に神秘的な雰囲気を

醸しだしている。日暮浜には昔からその背中の結晶に触れることが出来た者は

願いが叶うと言う伝説がある。

 

・『ゲート』(施設)

…世界中に点在する顕在型アルケメタル製のオブジェクト。

藍水ヶ原では現在3つが確認されている。

現状は特定の条件下で開く「ダンジョン」への扉だと結論付けられているが、

その設置者・目的などは一切不明。古い文献にも登場することから、

その設置年代は相当前と考えられている。

(→ダンジョン)

 

・『顕在型アルケメタル』(物質)

…機士による召喚を介さずに存在し、いつまでもこちらの世界に残っている

稀有なアルケメタルのこと。透明色をしている。発見例は非常に少なく、

その硬度・強度はアルケメタルと同様のため加工には全く適さない。

また大気中に霧散した魔導力を吸収し、その内部に蓄積することが判明している。

その生成に関しては未だ不明な点が多いが、自然物の周囲に『沈着』することで形成

されると考えられている。藍水ヶ原のセントラルプラントに使用されている物は水晶の

周囲に沈着したもので全高60pほどの大きさを誇り、その形成には500年ほどの年数を

要しているとされる。

 

・『固有紋章(パーソナルグラフィ)』

・・・通常、機士が機体の召喚する時に浮かぶ紋章は三角形や四角形などの

単純な図形である事が多いのだが、熟練した機士となると個別の複雑な紋章を

有する事も多い。紋章は自己のイメージの発現であり、より効率的に魔導力操作を行なう

事を可能にする効能があるともされている。そのためか大技を放つ際に自身の周囲や

武装の周りに紋章が浮かび上がる機体も少なくない。

 

・『熾獅翁神社』(施設)

…藍水が原の北側にそびえる山の麓にある神社。学業・勝負事などにご利益があると

され、中々の参拝客を有する。また、緩やかな参拝ルートの他に社殿へ続く急な階段

もあり、そちらもご利益のある階段として日々挑戦者が絶えない。

 

・『シティトレイン』(交通)

…藍水ヶ原の交通手段の一つ。街の地下に張り巡らされた地下鉄が全域を高速で

つないでくれる。ただし、鉄道と言う特性上どうしても点でのカバーとなるため、

面の掌握の部分ではバスに任せることとなる。

( →区画周回バス  )

 

 

・『商業区』

…藍水ヶ原南東地域にある、一大商業区域。デパートや各種ブランド・量販店などが

所狭しと立ち並び、休日の人口密度は異常な位に跳ね上がる。また、建物の立地の

複雑さ、裏道小道が多いなどの条件が重なり、この地域に慣れているヒトですら

迷子になる事もあるとか。別名『藍水ヶ原の迷宮地帯』。

 

・『シンクロニティ・フェイズ』(機士用語)

…通称「シンクロ」。機体を召喚した機士同士がその感覚、感情を一時的に共有し

更には機体の特殊能力すらもシェアすることが可能となった状態のこと。

血縁者の間で多く見られるとされ、他人の場合はまず起こらないとされる。

 

・『森林公園』(施設)

…藍水ヶ原のあちこちに点在する施設。藍水ヶ原再開発の際に市民の憩いの場兼

非常時の避難場所を想定して設置され、以降その役割を全うし続けている。

 

・『スケア・クロウズ』(組織)

…街の不良達が集う一つのグループ、通称「案山子」。一時期は「スティング・レイ」

に押され勢力を弱めていたが、その弱体化に伴い勢力を復活させてきた。

「獲物」を見つけると、それを複数人で追い詰め徹底的にいたぶるというやり方で

自分達の鬱憤を晴らすという陰険なやり方を取るため街の人々は恐れている。

 

・『スティング・レイ』(組織)

…衣縫 多津海がリーダーとなって結成されたグループ。基本は対『スケア・クロウズ』

を看板としていたため、中には「正義」に憧れて入ったメンバーもいたとか。

その勢力は凄まじく、一時はスケア・クロウズを壊滅寸前まで弱体化させた。

だが、ある時リーダーの衣縫 多津海と共に主力メンバーがたった一人の男に敗北。

彼のカリスマによって構成されていたこのグループは必然的に解散する事となった。

 

・『スポーツエリア・アズール』(施設)

…藍水ヶ原中央エリアに存在する複合体育施設。テニスコートなどの屋外施設のほか

室内プールなどの屋内施設も充実。また、夏季、冬季のナイトデュエルトーナメントも

この場所にある並列型ドームで行われる。また、エリア内には緑も多く平時から

周辺民の憩いの場としても機能している。

( →トーナメント )

 

・『茜華中学・高等学校』(学校)

…街の南東部に在る学校。開校当初は工業系の専門学校だったが、

気付けば一芸に秀でた者達が集まる趣味人の為の学校の様相を呈しており、

基本の授業の他に自身の一芸を極める為の授業が行なわれているのが特徴。

ある意味人材が最も豊富な学校かもしれない。

標語は「一芸極めれば何ものにも負けぬ武器となる。」

 

 

 

・『セントラルヒルズ』(施設)

…藍水ヶ原中央区画の中心に立つ丘陵上の建物。藍水ヶ原地域の管理も此処で

行なわれており「管理局」とも呼ばれる。地域の戸籍、パスポート発行、機士認証などの

手続きは全てここで行われることとなる。

 

・『セントラルプラント』(施設)

…藍水ヶ原中央部のセントラルヒルズの地下に設置されている、大規模な魔導力

出力機構。『藍水ヶ原計画』の中枢として開発された。その原理は巨大な

顕在型アルケメタルとエレクターメタルを使用したプロトタイプの魔導力発電炉である。

ここから出力された電力は各地域内のサブプラントへと誘導、地域に供給している。

 

・『属性』(機士用語)

…街の機士が使用する機体についての基本的な性能傾向を示すための用語。

学術的な物では無いが、現在では広く用いられている概念である。

機体の発現時に決定され、以後属性だけは変化しない。属性ごとに他の属性への

得手不得手がある訳ではなく、あくまで性能傾向のみを示すものである。

機体の属性は全部で五つに分類され、「木」の属性の機体は機動性、「火」の属性は

攻撃出力、「土」の属性は耐久力・魔導力、「金」の属性は防御力、「水」の属性は

行動精度に重点が置かれた性能となる。

 

・『ダンジョン』(場所)

…ゲートの先に存在する不思議な世界。機士はこの「ゲート」の前の石畳に刻まれて

いる魔法陣の上で、自らの機体を召喚する事で『ダンジョン』へと通じる道を開く事が

出来るが、実は一般人も特定の時間帯ならば道を開く事が出来るとされる。

現在、この『ダンジョン』は一種の絶対空間である事が判明している。また『ダンジョン』

と言っても中では『迷宮』が構成されている訳ではなく、

森林や砂漠などのといったフィールドが形成され、

中に入った者はその広大なフィールド内を探索する事となる。

尚このダンジョンから脱出する方法は簡単で一つのフィールドの何処かに在る、

入口と同じ形をした「ゲート」を見つけ、

その中に入る事で次のフィールドに進むか、外に脱出するかを選択できる。

( →ゲート  →モンスター  → 限界(ボーダーライン) )

 

・『蓄積核』(技術)

…正しくは『魔導力蓄積式制御核』。役割ゆえ『バッテリー』とも呼ばれる。

機体を運用するのに必要な魔導力を、ヒトを介さずに出力できる装置。

『プレビオーラン・インダストリー』などはこの技術を小型化することに成功し、

アルケメタルを用いた機体とのハイブリッド重機を試作している。

ただし、その生産に必要な『顕在型アルケメタル』は現状世界中でも発見例が多くは無く

量産化はまだ先の事と思われる

 

・『テリトリー・ブレイク(境界面破壊)(機士用語)

…機士が機体の破壊に伴い肉体や精神に多大なダメージを受けてしまう現象。

通常は機体が完全破壊されても、リリースが発生するだけで機士自体に深刻な

ダメージは発生しない。しかし、暴走状態に陥った機士の高揚した感情が機体との

同化現象(ボーダー・アブソープション)を発生させ、結果として機士にダメージが

解除後の機士自体に反映されてしまうのである。

( →暴走 →ボーダー・アブソープション )

 

・『トーナメント』(催事)

…藍水ヶ原で夏季に一回、冬季に一回開催される大規模なナイトデュエルの大会。

夏季トーナメントはブロックごとの集団の乱戦、冬季トーナメントは抽選の

当選者16名によって行なわれる。藍水ヶ原だけではなく外部からのトーナメント

参加者、観覧者が大挙して押し寄せる藍水ヶ原屈指のイベント。

 

・『湯治場・馬酔木の湯』(施設)

…旧街区に立つ昔懐かしい雰囲気の銭湯。昔の様に全て薪で湯を沸かす・・・という

わけには行かず、電気などの最新のシステムを取り入れてはいるが、それでも

雰囲気だけは壊さないようにと頑張っている。

商業区にスパなども出来てはいるが、やはりこちらの方が良いと、

今でも老若男女問わず客足が途絶えることは無い。

風呂上りのフルーツ牛乳は絶品。

 

『ナイト・チャネリング』(機士用語)

…通称「チャンネル」。機士同士が何となくその人が機士なのか分かるという

第六感的な能力のこと。機士が存在することで生まれる周囲の魔導力の微妙な

励起を感じ取るために発生すると言われている。大体の有効範囲は本人から

視線方向に3メートル、後方に1メートル。意識しないとほぼ発動しないため

平時の生活で困ることは無い。なお、機士の「素養を持った」人物を発見することも

可能であるとされる。

 

『ナイトデュエリスト』(職業)

…興業としてナイトデュエルを行なう所謂「プロの機士」の事を指す。

ナイトデュエリスト達は組まれた対戦カードの通りに試合をこなして行き、

ファイトマネーの他、最終成績によってボーナスが支払われる仕組みとなっている。

試合は一人隔週1回ずつ、それ以外は基本的に自由に行動して良い。

 

『パーソナル・ファクトリー』(機士用語)

…通称「工房」・「ファクトリー」。機士の素質を発現させた人が有している特殊な

精神世界の通称。機士の精神がその深さを問わずに発露されて形成されるため、

個人でそのデザインは大きく異なる。

機士はこの場所に「入り込む」ことで機体のチューニングを行なうことが出来る。

また、この場所に他者を侵入させる事も可能だが、危険性も高い。

 

・『廃工場エリア』(場所)

…この地域に一時期の発展と共に環境汚染をもたらしていた工場の跡地。

今はその企業も撤退し、寂れた景色が広がっている。

本来ならば街が現在の形となった時に全て取り壊される予定であったが、

予算などの関係から放置され現在に至る。

今では余り人も寄りつかず街の不良がたむろする場所となっている。

また、ニッチな需要では廃墟マニアにも人気だったりする

 

・『日暮浜(ひくれはま)()

…『藍水ヶ原』より暫く行った所に在る海辺の街、美しい海岸地形や、

何処か懐かしい景観を持つため観光地として非常に人気が高く、

夏場になると藍水ヶ原から海水浴客が大挙して押し寄せる。

また、町の目の前に在る海に数年に一度巨大な『クジラ』が出現することでも有名。

 

・『フェイズ・サブリメイション』(機士用語)

…通称「サブリメイション」。稀に機体が機士の意識を介することなく、

大きくその姿を変えてしまう現象。個人の精神に大きな変化が起こった時に

見受けられることがある。その発生頻度から都市伝説の域で語られる。

 

・『プレビオーラン・インダストリー』(組織)

…『藍水ヶ原』に本社を構える新興の企業。

元々は「先駆工業」という小さな町工場であったが、前社長の代から

魔導力をエネルギーにして動く作業用マシンの製作・開発を行なうようになった。

その機体構造、独創的な設計理念には全世界から注目が集まっており、

現在では藍水ヶ原有数の大企業の地位を獲得している。

なお製造された「機械」には全て「プレビオ」という名前が冠される事になっている。

 

・『ボーダー・アブソープション』(機士用語)

…機士が暴走状態に入った時に発生する、機体との『同化現象』。機士の強烈な

感情に呼応した機士の「肉体」がこちら側に引き寄せられ、一時的に機体に

吸収されてしまうことで発生すると考えられている。そのためこの状態で受けた

ダメージは召喚解除後の機士にも引き継がれてしまう。

暴走が解除されればこの状態も解かれる。

( →暴走 )

 

・『暴走』(機士用語)

…機士の感情の高ぶりに機体が過剰反応し、コントロールの主導権が奪われる現象。

それに伴い機体の出力が大幅上昇する他、状況によってはアルケメタル組成が変化、

機体形状が変貌してしまう事も多い。暴走が続くと最悪の場合機士の精神が

崩壊する危険性(テリトリー・ブレイク)が指摘されている。本現象は現在のところ

機士本人が再度機体を抑え込む、本人の限界を待つ、または外部からの機体の

機能停止以外には鎮静化させる方法は見つかっていない。

 

限界点(ボーダーライン)』(用語)

…人がダンジョン内に居られる限界時間・また進める限界深度を指す。

時間は最大で内部時間でおよそ二週間が限界、層は第8層が限界だとされている。

まず前者には『ダンジョン内』に流れる特殊な時間が関係している。

『ダンジョン』内での一日が経過すると外界では約一時間が経過するのだが、

コレは物理的な時間は経過せずに「精神的な時間」が経過しているとされる。

そのためいくらこの『ダンジョン』内に居ても肉体的な時間は

外部の時間と同期しているため、中に居た分だけ寿命が減るということは無い。

一方で精神が得る情報は通常時の約24倍にもなるため、脱出した際にその量が

多すぎると肉体と精神のギャップによって精神崩壊が起きかねないのだ。

ダンジョン自体にも一応の調整システムは存在している様だが、この調整機能の

考えた上で精神に異常をきたさずに安全に脱出出来る限界が

内部時間での2週間なのである

後者の『層』については現在詳しい事は良く分かっていないが、深度が深くなると

モンスターの生息密度や個体の能力が向上するため、危険度が増すのが

理由の一つである。これに加えてダンジョン内のフィールドは4層辺りから

次第にフィールドから受ける『印象』が変化する事が判明している。

コレが第6層を超えると「まるで自身の心を剥き出しにしている感覚」などと言った

奇妙な感覚に襲われ、更にコレを無視して第8層まで進んだヒトの話によると

「自分の中に得体の知れない膨大な情報が常時流れ込んで来て、発狂寸前になった」

という状態になるらしい。

そのため現在8層以降は『ヒトが踏み込んではいけないエリア』だとされている。

尤も、第8層まで2週間近くで達する人間など考えられないため、

こちらは都市伝説に近い。

 

・『(ほむら)(カソードセリス)』(都市伝説)

…藍水ヶ原に古くから伝わる伝説の一つ。優れた腕前の機士の前に顕れるという「焔」

こと「カソードセリス」の話である。

その焔は人の形を取り、機士にナイトデュエルを挑むという。

その技術の卓越振りたるや、歴代の戦士・剣豪の技を一人で全て扱うと伝えられている。

また敗れても命を奪われることはなく、その正々堂々戦う姿にはある種の感動すら

覚えるという。また、敗者の中でも認められた者には再戦に必要な「切符」が

与えられると噂される。

( →焔の刀子 )

 

・『焔の刀子(ブレイズチケット)(道具)

…都市伝説の「人型をした焔」こと残留思念集合顕在化機体『カソードセリス』が

己と戦った者の中でも認めた者だけに渡すとされるアイテム。焔を固体化したような

見た目をしており、顕在化アルケメタルの一種とされる。再戦を行なうために必要と

されるが、どんな条件で使えるようになるか、またどうやって使うのかは不明。

 

・『街の機士』(人物)

…藍水ヶ原出身の機士のことを指す。藍水ヶ原では原因は未だ不明ながら

かなりの率で自然に「機士」が誕生してしまう。他の場所で発生する機士と大きく

異なるのはその殆どが「トリガー」を有するという点である。

 

・『魔導力』(物質)

…世界にほぼ無限に存在している特殊な流体。生物の「意志」を触媒として変化する

性質を持ち、かつては魔法とも呼ばれた現象の本質でもある

現在は「魔導力リバイバル仮説」の下通常、励起、鎮静の三形態が確認されつつある。

魔導力は通常状態では物体に干渉することは無いが、生命体の感情に反応して

励起状態に変化する。この状態になると物体への干渉が可能となり電気、熱など

のエネルギーに変換することも可能となるのである。また、顕在型アルケメタルに

蓄積された魔導力は放出時に励起状態になる事が確認されており、

魔導力プラントはこの原理を応用した物である。そして、一度励起状態になった

魔導力は対象に「干渉した」直後「鎮静化」してしまい励起を起こさなくなってしまう。

だが、鎮静化した魔導力は『環境』の中、或いは召喚された機体の周囲でなら

再び通常状態へと復活し、再度利用が可能になるとされているのである。

現在では藍水ヶ原で得られた蓄積核のデータの下、世界中で運用されている。

( →魔導力リバイバル仮説 → 魔法 )

 

・『魔導力リバイバル仮説』(理論)

…魔導力に関するとある仮説。魔導力は特定のエネルギーとして使用された場合、

単に「魔導力自体の持つエネルギーレベル」が低下するだけであり、魔導力という

存在自体に一切の変化は無く、また、それは生命体の存在や意志を触媒として

元のエネルギーレベルに戻ろうとする性質が存在する。と言う仮説。

この理論が正しいとするならば、ヒトの感情という触媒を上手く利用すれば、

高いエネルギーレベルの魔導力を常時供給することが可能となるという事なのである。

藍水ヶ原で得られたデータの下この仮説の正しさが証明されている。

 

・『魔法』(現象)

…生物の強い意志に曝された魔導力そのものが、特定の「現象へと変化する」こと。

例えば火種も無い空間から炎が出現したり、水が出現したりなどの現象を

引き起こす。今では機体を召喚したか、古の機士が発生させた現象とされており、

一般人が使うことは不可能と考えられている。

 

・『噴水』(施設)

…藍水ヶ原地域の中央市役所広場に聳える高さ4メートルのオブジェクト。

漏斗状に空に広がった姿はまるで木の様にも見えることからいつしかこの名で呼ばれる

こととなった。またその表面には常に水が流れており、涼やかな雰囲気を放つ上、

夜にはライトアップもされるため待ち合わせ場所としての人気が高い。

因みに本来の名前は「始まりへの誘い」と言うらしい。

 

・『結晶鋼生命体(メタライズ・アニマ)(生物?)

…通称「モンスター」。ダンジョン内に生息する全身をアルケメタルで覆った存在。

自身の縄張りに入って来た者に容赦なく襲い掛かる個体も少なく無いため、

例え機士であっても軽い気持ちで挑むと最悪の場合死に至る事もある。

また中には過去の機士の機体と思われるものが再現され、こちらを襲ってくると言う

事例も報告されている。このような場所のためダンジョンを自身の修行の場所として

挑戦する機士も少なくない。

 

・『焼祭(やきまつり)

…年一回正月第2〜3週の日曜日に、旧街区にある堤防を干して開催されるお祭り。

正月に使用したしめ縄などを持ち寄り、竹で組んだ櫓の中で燃やす。

正月気分を改める祭りであり、また、来場者には無料でぜんざいや豚汁が

振る舞われるため、藍水ヶ原全体から中々の人が集まる。

なお、大人は酒を自腹で持ち寄るのが暗黙のルールとなっている。

 

・『ランカー機士』(機士用語)

…ナイトデュエリストの中で常に高い勝率を誇る人物たちのこと。一般的に

上位10名がこの名称で呼ばれている。性格はともかく機士としての腕前は

相当の物であるらしい。

 

・『海神の大鎧(わだつみのおおよろい)』(施設)

…日暮浜の浜辺にある洞窟に鎮座している巨大な機体と思われるものの石像。

太古の昔、浜辺に甚大な被害をもたらしていた結晶クジラと闘い、

以後豊漁の守護神として浜を守ることを約束させた偉大な海神の着用していた鎧を

見よう見まねで浜の人たちが洞窟の中に彫りつけた物だと伝えられる。

日暮浜の観光資源の一つ。