ゼロの使い魔 ハルケギニア南船北竜/茨道霧中
お話の裏側の裏側







※注意事項※

 本記事では最新話読了済みを前提にした内容を多く含む上に、読まなくともまったく支障がない設定などを記載する予定です
 本編並びに原作本編を未読の方は回避された方が無難です
 質問されてもお答えできかねることもありますし、それこそ本編に絡まない副産物も多く含まれます
 予告なき追記、予告なき改変はお約束と言うことで願います


■国家

■セルフィーユ王国

■キャラクター

■登場艦船便覧

■小年表

■税制と国家予算について










(30行ほど閲覧回避用の空欄を挿入してあります)










































■国家



☆ハルケギニア全体



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【トリステイン王国】(1)
 総人口150万人、国土面積約21200アルパン
 国王 不在
 始祖の三王家の一、貴族第一主義

【ガリア王国】(2)
 人口1500万人、国土面積約257000アルパン
 *トリステインの12倍の面積に10倍の人口
 国王 ジョゼフ一世
 始祖の三王家の一、魔法大国にして世界一の大国

【帝政ゲルマニア】(3)
 人口1200万人、国土面積約318000アルパン
 *トリステインの15倍の面積に8倍の人口
 皇帝 アルブレヒト三世
 周囲の小国を次々と吸収して巨大化した野心溢れる大国

【アルビオン王国】(4)
 総人口300万人、約62000アルパン
 *トリステインの3倍の面積に2倍の人口
 国王 ジェームズ一世
 始祖の三王家の一、空中大陸アルビオンを支配

【ロマリア連合皇国】(5)
 人口600万人、国土面積約106000アルパン
 *トリステインの5倍の面積に4倍の人口
 教皇 聖エイジス三十二世
 始祖の弟子を開祖とする都市国家を中心に発展してきたブリミル教の総本山

【クルデンホルフ大公国】(6)
 人口5万人、国土面積約1300アルパン
 大公 エンゲルベルト
 トリステインを宗主国にもつ小国で貴族相手の金貸しで成り上がった新興国

【ベルゲン大公国】(7)
 人口25万人、国土面積約18600アルパン
 大公 −
 伝統的にガリア王家の警護兵を輩出している

【オクセンシェルナ大公国】(8)
 人口20万人、国土面積約9800アルパン
 大公 −
 武偏の国として知られる

【内海小諸国群】(9)
【東部小諸国群】(10)
【北部小諸国群】(11)
 未設定
 ※セルフィーユより小さな都市国家〜人口10万程度までの中小国群

【セルフィーユ王国】(12)
 人口4000人、国土面積320アルパン
 国王 リシャール一世
 トリステイン王国より独立した極小の新興国

【アウグステンブルク王国】(13)
 人口10万人、国土面積約6300アルパン
 国王 −
 400年ほどの歴史を持つ北の小国

【ネフテス国】(14)
 人口−、国土面積−
 統領 テュリューク
 部族代表議会制をとるエルフの国
 科学技術にも優れている


 ※時折数字を触ります
  本決まりとは言えないものの大体このあたりというところです







■セルフィーユ王国





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 ブリミル歴6241年建国の新興国で、総人口は4000人弱、総面積320アルパンの小国。現在の君主はセルフィーユ王家の開祖、リシャール一世。
 主な産業は鉄鉱山を主体とする火器製造及び製鉄だが、石炭は輸入に頼っている。独立以前から進められていたトリステイン北東部を商圏とする商業振興策は独立によって頓挫、現在は内需の拡大と農業生産力の向上を企図。王都も発展途上なら周辺部の村々も開発の手が入りはじめたばかりと、活気こそあるが田舎の域を出ていない。
 国土はセルフィーユ家の完全支配下にあり、これを四府一院で構成される王政府が支えている。諸侯は存在せず、王家に忠誠を誓う五つの男爵家と二十二の勲爵士家は全て法衣貴族である。
 国家規模に比較して軍事力は過大で、6241年現在、3隻のフリゲートを有する空海軍、完全志願制の陸軍、城と王家を守る近衛隊の三軍編成で200名を越える常備軍が維持されている。加えて聖堂騎士隊は王自らが騎士隊長を兼務しており、有事にはこちらも戦力として数えられる。

【ラマディエ】(1)
 王都ラマディエは現在人口1800人以上、国の中枢として王政府や王立兵器工廠、王立製鉄所、水産加工場、空港、海港、倉庫街、練兵場と、主要施設が集中している。
 街は旧市街と新市街に大きく分けられる。
 商業や交通の要衝でもあり、国内で唯一商業地区と常設の露天市場(自由市場)を有する。
 空港はトリステインの王都トリスタニア行きの船便が週一便、アルビオン行きの船便が月一便就航、海港は不定期ながら帝政ゲルマニアのハーフェンとトリステイン王国のリールやロリアンと結ぶ。陸路はトリステイン王国リールとの駅馬車が週に四便、加えて月に一、二度トリスタニアを往復する護衛付きの隊商便が出る他、国内向けでは隣村と結んで国内を巡回する無料の馬車が日に十数便ある。
 市街地の外れにあるセルフィーユ大聖堂には学舎が併設されており、聖堂騎士隊も常駐している。

【シュレベール】(2)
 シュレベールは人口250人強、王城のお膝元である。
 主産業は鉄鉱山で、次いで鍛冶工房、山菜や薬草採取、狩猟が続く。ラマディエに勤め先を持ちながら、こちらに住んでいる者も多い。
 王城は便宜上シュレベール城とも呼ばれるが、住む者も勤める者も地元の者も単に城と呼んで済ませている。セルフィーユ王家一家の他、ガリア王国オルレアン王弟家の大公夫人が滞在中。


【ドーピニエ】(3)
 ドーピニエは人口200人ほどの農村で、三番目にセルフィーユへと加えられた領地である。比較的距離が近いラマディエやシュレベールに出稼ぎに出ている者も多い。
 シュレベールとは何かと縁の深い隣村である。


【ラ・クラルテ】(4)

 ラ・クラルテは旧伯爵領時代に開村された新村である。
 人口は200人程度、農業と漁業を二本柱として現在も新たに農地開拓が進められている。


【サン・ロワレ】(5)
 サン・ロワレは領内最大の農村地帯で、人口も500人近い。
 サン・ロワレと西サン・ロワレに大きく分かれており、併合以降、葡萄畑や牧場などが新しく拓かれている。
 独立後、西サン・ロワレから南に伸びる街道上に関所が設置された。


【エライユ】(6)

 エライユは近隣に広がる森を利用した林業を主とする村で、人口は300人ほど。直接的に林業を生業とする者だけでなく、家具職人や木工細工師などの手工業者も多い。
 トリステインから引き継いだ駐屯地が村外れにあり、現在王国陸軍司令部として使われている。こちらは最大で一個連隊を収容できるが、当然ながら兵舎の大半は閉め切られている。


【ラエンネック】(7)

 ラエンネックはシュレベールと似た鉱山村で、同じ鉱脈の東西に位置する。
 人口は200人弱で、併合後には山羊などを主体とする小規模な牧畜が奨励されている。
 見張り台を持つ小規模な砦があり、王軍の一隊が派遣されている。


【ル・テリエ】(8)
 ル・テリエはゲルマニア国境にほど近い漁村で、人口は行政上で統合されているアリアンス島の集落を合わせても200人弱である。港は小さく外洋船は入港できない。
 ゲルマニアとの国境付近には、トリステインから移管された関所がある。


【アリアンス島】(9)
 アリアンス島はル・テリエの北にある離れ小島で、灯台守を兼ねた王軍の一隊が駐留している。
 同島には旧トリステイン東方艦隊の根拠地に使われていた廃城があり、現在は予備の空港に使えるか調査中。








■キャラクター

 名ありのキャラクターはほぼ全員網羅しています
 登場順ですが多少前後しています
 未登場の人物が混じっているかもしれません
 余計なことも消さずに書いてあります
 ()内は初登場時の年齢
 ※印は原作キャラ、☆印は原作キャラでもフルネームを補った人物です



リシャール・ド・ラ・クラルテ(12)
 主人公で転生者
 原作開始の5年前にあたる本編開始時(南船北竜第二話)12歳
 金髪の直毛、体は小さく細身、12歳時155サント、16歳時168サント
 土のメイジで二つ名は『鉄剣』
 後にリシャール・ド・セルフィーユ
 セルフィーユ男爵〜セルフィーユ王
 名の元ネタはリチャード獅子心王を仏語読み

アーシャ(約300)
 主人公の使い魔、地韻竜の娘で年齢の300歳は人間換算で15歳前後
 本名はイルククゥ同様人間に発音不可能、無理矢理でエウトァシルゥー(竜語で高貴なる石=宝石)
 無論竜語の資料などないのでシンダリン語やクエンヤ語を適当にいじくって……
 体色は光沢のある深緑、翼長は9メイルほど
 刻まれたルーンはスラーイン(Trainn、守護・鉄壁)
 人間体では濃い緑髪のロングヘア

クリスチャン・ド・ラ・クラルテ(41)
 主人公の父
 アルトワ伯爵家の常備軍を任されている
 諸侯軍編成の際は総司令官アルトワ伯の参謀長
 物静かな土のトライアングルで使い魔はジャイアントモールのガエタン

エステル・ド・ラ・クラルテ(38)
 主人公の母
 エルランジェ伯モリスの娘で、現在はアルトワ伯爵家のメイド約20人を束ねる侍女頭
 エステル=エステル結合=結合=束ねる……じゃあ侍女のまとめ役に
 見た目はしとやかな水のライン、二つ名は『泉水』使い魔はイモリのミミ

リュシアン・ド・ラ・クラルテ(19)
 主人公の上の兄
 アルトワ伯爵家の執事見習い、控えめな水のライン

ジャン・マチアス・ド・ラ・クラルテ(18)
 主人公の下の兄
 昨年より家庭教師として王都のセギュール伯爵家に出仕
 お調子者で水のライン
 後に一人立ちしてセルフィーユ王国ラ・クラルテ家当主

ニコラ・ド・ラ・クラルテ(63)
 アルトワ家の筆頭重臣兼アルトワ家執事
 ラ・クラルテ家の当主
 職務中以外は好々爺な土のトライアングル

アンヌ=マリー・ド・ラ・クラルテ(−)
 アルトワ伯爵家の先代侍女頭でニコラの妻、既に他界

クリストフ・モリス・ド・アルトワ(33)
 アルトワ伯爵家の現当主
 おっとりとした水のトライアングル、二つ名は『治水』

ジュスティーヌ・アナイス・ド・アルトワ(29)
 アルトワ伯爵家の現当主夫人
 したたかな水のトライアングル、二つ名は『薄氷』

クロード・モリス・ド・アルトワ(11)
 アルトワ伯爵家の長男で世継
 控えめな水のドット
 後にリシャールの親友、トリステイン魔法学院に入学

カトリーヌ・アナイス・ド・アルトワ(9)
 アルトワ伯爵家の長女
 元気な水のドット

リュシー・ジュスティーヌ・ド・アルトワ(5)
 アルトワ伯爵家の次女
 年の割につっこみの上手な水の……魔法はまだ

リリアン(12年前で60頃)
 アルトワ伯爵領で産婆の名人として知られている水のメイジ

セヴリーヌ(20頃)
 アルトワ伯爵家のメイド

エリーズ(10代半ば)
 アルトワ伯爵家のメイド

セヴラン(40代)
 火のラインメイジ
 アルトワ常備軍で隊長職に就いている

パトリス(30代)
 アルトワ常備軍所属でセヴランの部下
 リシャールの初陣で斥候に出ていた

ジョエル(20頃)
 アルトワ常備軍所属でセヴランの部下
 リシャールが初陣で組んだ青年兵士

ジェルヴェ(40代)
 アルトワ工匠組合の長で鍛冶屋
 父クリスチャンの飲み友達

セルジュ(40代後半)
 アルトワの商人ギルドの代表
 鉄や材木などを扱うコフル商会の会頭 
 後にセルフィーユと大口の取引を契約した

トマ(40頃)
 アルトワの商人ギルド評議員の一人
 銅などを扱うマントノン商会の会頭

シモン(30代前半)
 アルトワのギルド評議員の一人
 小麦などの食料品を扱うデルマー商会の会頭 

ルブリ(40頃)
 王軍竜騎士隊の教官で父クリスチャンの飲み友達

モリス・ピエール・ド・エルランジェ(70手前)
 現エルランジェ伯爵
 エステルの父でリシャールの外祖父

ジェルマン(50代)
 エルランジェ伯の執事

クリステル・ド・エルランジェ(70手前)
 エルランジェ伯爵夫人
 エステルの母でリシャールの外祖母

※デルフリンガー(6000?)
 サイトの相棒
 軽く反りの入った両手剣で『亜人斬り』のヒントになった

クロディーヌ(20代)
 『魅惑の妖精』亭の妖精さん
 栗色の髪をしている

ソフィー(20頃)
 『魅惑の妖精』亭の妖精さん
 金髪のポニーテイル

※スカロン(40手前)
 『魅惑の妖精』亭の店長
 筋肉質のごついおっさんでオネエ言葉
 ドレスも着用

※ジェシカ(11)
 魅惑の妖精亭の妖精さん予備軍(修行中)
 スカロンの娘でリシャールの一つ下

ノルベルト・マティアス・フォン・ビッテラウフ(30代)
 ゲルマニアの貴族で男爵
 竜好きが高じてウインドボナのギルドで竜の世話をしている
 使い魔は風竜のマックス

アルチュール・ブリュノ・ド・ギーヴァルシュ(70頃)
 現ギーヴァルシュ侯爵で祖父の悪友

アレクシ(40頃)
 ギーヴァルシュ侯爵領のギルドの元締め
 クーロ商会の会頭

オーギュスト(20代後半)
 ギーヴァルシュ侯爵領の城館に務める役人

ヴァランタン(30代)
 デルマー商会のトリスタニア支店長

マルグリット(18)
 セルジュの娘で妾腹
 ラ・クラルテ商会の副会頭
 後にセルフィーユ家筆頭家臣、ポワソン女男爵
 最初マチルダにしようとか考えていたけど色々と無理が……

ジョアシャン・ド・ルメルシェ(40手前)
 トリステイン王軍の将軍でルメルシェ連隊の連隊長

アラン・ブリュノ・ド・ギーヴァルシュ(20代中盤)
 ギルヴァーシュ侯爵家の長男で領主代行として侯爵領を預かっている

ヴァレリー(25)
 元アルトワ城館の侍女で未亡人
 後にセルフィーユ家の筆頭侍女、ジャン・マルクの妻、アンドリ男爵夫人

ピエール・ジュスタン・ド・エルランジェ(40前後)
 エルランジェ伯爵家の長子で主人公の伯父
 領主代行として伯爵領を預かっている

オレリー(40前後)
 ピエールの妻で主人公の伯母

リオネル(6)
 ピエールの息子で主人公の従兄弟

ミシュリーヌ(12)
 マルグリットの幼なじみの妹
 後に主人公の兄リュシアンと婚約する
 当初そんな予定はなかった

コリンヌ(70前後)
 ギーヴァルシュ侯爵夫人

※ラ・ヴァリエール公爵(50手前)
 現ラ・ヴァリエール公爵家当主
 ☆ピエール・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
 モノクルをつけている
 水のスクウェアメイジ

※カリーヌ(40前後)
 ラ・ヴァリエール公爵夫人
 ☆カリーヌ・デジレ・ド・ラ・ヴァリエール
 風のスクウェアメイジで二つ名は『烈風』、原作外伝の主人公

※エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール(22)
 ラ・ヴァリエール家の長女で土のメイジ
 アカデミーの研究員で王都暮らし
 後にバーガンディ伯爵フィリップと婚約

※カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ(19)
 ラ・ヴァリエール家の次女で土のメイジ
 主人公と結婚してカトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・セルフィーユ
 セルフィーユ男爵夫人、後にセルフィーユ王妃

※ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(12)
 ラ・ヴァリエール家の三女で現在のところ魔法は苦手
 原作本編のヒロインで虚無の担い手

※ジェローム(40代後半)
 ラ・ヴァリエール公爵家の筆頭執事

ジャン・マルク(25)
 ギーヴァルシュ派遣軍指揮官
 主人公に仕官して領軍司令官→衛兵隊長→近衛隊長
 後にヴァレリーと結婚、アンドリ男爵
 重ね名の繋ぎ記号を「=」にするか「・」にするか迷った末「・」に統一

カンタン(20頃)
 ギーヴァルシュ派遣軍兵士
 ジャン・マルクの副官

ディミトリ(20頃)
 ギーヴァルシュ派遣軍兵士

ギヨーム(10代後半)
 ギーヴァルシュ派遣軍兵士

リュカ(50前後)
 ラマディエのギルドの長
 後にラマディエ市長となる

ゴーチェ(40後半)
 シュレベ−ルの村長で鉱山の元締め

※アンリエッタ・ド・トリステイン(13)
 トリステイン王女で後に王太女
 ウェールズ皇太子と恋仲になる
 水のトライアングルメイジ
 この人の時間ネジを早巻きにしたら少しは状況もかわるかと……

※マリアンヌ・ド・トリステイン(40)
 トリステイン王后でアンリエッタの実母
 女王陛下と呼ばれると不機嫌になる
 徹底して亡夫の喪に服している

ブレニュス(40頃)
 ベルヴィール号の船長
 セルフィーユの入り江で船を座礁し、船籍をセルフィーユに移すことになった

ディミトリ(30代)
 ラマディエの港湾責任者

ディディエ(40手前)
 鍛冶場の親方

バチスト(50代後半)
 ジャン・マルクの父
 元エルランジェ領軍所属の下士官

クレメンテ(60)
 ブリミル教の司祭でロマリア本国よりラマディエの教会に派遣
 後にセルフィーユ司教→大司教
 新教徒移民の元凶
 初期設定だと80歳……オスマン学院長並の元気老人もまずいかと変更

アンブロジオ(50過ぎ)
 ロマリア北部にあるファエンツァの司教

ヤコポ・アゴスティネッリ
 ロマリアの司祭枢機卿

フィオレンティーナ(15)
 ラマディエの教会にいるシスター見習い
 クレメンテの被保護者

イタロ
 新教徒で東ファエンツァ教会の新たな司祭

ダニエル(50代後半)
 ドーピニエの村長

アミントレ(60代)
 ドーピニエの司祭

イジドール(40後半)
 セルフィーユの農家
 農業面での相談相手

※マザリーニ(40頃)
 トリステインの国家宰相でブリミル教の司教枢機卿
 『鳥の骨』と揶揄される外見

フロラン(30代)
 ラ・ロシェールから派遣された製鉄技師だが本業は火器の製造
 製鉄所と武器工廠を任される
 後にセルフィーユ王国勲爵士

アラン(30代)
 フロランの同僚で火薬職人

セレスタン(30代)
 フロランの同僚で鉄砲技師

レジス(40頃)
 二代目セルフィーユ領軍隊長
 ガリア出身の元貴族士官、新教徒
 後にセルフィーユ王国陸軍総司令官、ヴァンサン男爵

※アニエス(19)
 剣の腕が素晴らしい流しの女傭兵
 セルフィーユ領軍兵士、その後衛兵隊副隊長に抜擢
 更にトリステイン王太女付き侍女(護衛職)→王太女付き女官(護衛職)となる
 セルフィーユ王国勲爵士※アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン

※ヴェイユ
 ブルドンネ街に店を構える不動産屋

※シエスタ
 タルブ村の出身でジェシカの従姉
 トリステイン魔法学院のメイド

ブレッティンガム男爵エルバート(20)
 ラグドリアン湖畔園遊会アルビオン王国先遣団の副団長で竜騎士

ソールズベリー伯ロバート・ウィリアム(30代)
 ラグドリアン湖畔園遊会アルビオン王国先遣団の団長

ヘクトール・アウグストス・フォン・アンハルツ・ツェルプストー(40頃)
 現アンハルツ・ツェルプストー辺境伯でキュルケの父親
 赤毛の偉丈夫
 実在のアンハルツ・ツェルプストー家の資料少ねえ……

※キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー(15)
 ツェルプストー辺境伯息女でカトレアの親友
 後にトリステイン魔法学院にてルイズの同級生
 火のトライアングルで二つ名は『微熱』

ロザリンド(40頃)
 ヘクトールの正妻でキュルケの実母

ジョージ・ブレイク(70手前)
 アルビオン王立空軍本国艦隊司令長官
 退役後、叛乱に際して現役復帰、臨時に編成された艦隊の司令官となる

※ウェールズ・テューダー(19)
 アルビオン王国皇太子で通称『プリンス・オブ・ウェールズ』
 風のトライアングル
 半公式の偽名としてウェールズ・オブ・ウェセックス
 後にアルビオン王国摂政皇太子
 王となった主人公とは親しい友人

※ジェームズ一世(70代)
 現アルビオン王国国王
 老いているが眼光は鋭い

アキテーヌ公(40代)
 ガリア王国外務卿

※フィリップ・ド・バーガンディ(20代後半)
 バーガンディ伯爵家当主で水のメイジ
 物静かながら中身は情熱的……?

アントルモン伯爵(40代)
 外務畑を歩んできたトリステイン王政府の高官で法衣貴族

ノルドハイム伯爵(30代)
 ゲルマニア帝国政府の外務卿補

ブライテンバッハ子爵(40代後半)
 帝政ゲルマニア皇帝直轄領ハーフェンの代官

テオドーロ(30頃)
 セルフィーユ司教座聖堂付き聖堂騎士隊副長
 実質は隊長

ジェフロワ・ド・フーレスティエ(40手前)
 トリステイン空海軍二等戦列艦『クーローヌ』艦長
 クーローヌ=クラウン=王冠

ルイ・アベル・ド・ペリシエ(10代半ば)
 『クーローヌ』乗り組みの士官候補生

フェリシテ(21)
 ヴァレリーの補佐をするセルフィーユ家の次席侍女

ジネット(14)
 セルフィーユ家メイドで水メイジ
 後にリシャール付きの侍女
 後に挿話主人公に大抜擢

ド・フラゴナール(30代)
 トリステイン王国外交使節団随員のまとめ役

クーテロ男爵(50頃)
 駐アルビオン大使
 後に子爵

レストン(50手前)
 アルビオン王国王政府軍務卿
 毒舌

オーチャード(20代後半)
 レストン軍務卿の部下、軍官僚

サー・ランズウィック
 アルビオン王立空軍の第一竜騎士大隊長
 エルバートの上司

フィンドレイター伯爵
 アルビオン王国王政府外務卿

☆ガスパール・ド・グラモン(20代前半)
 トリステイン空海軍二等戦列艦『クーローヌ』航海長でグラモン伯爵家次男
 後にフリゲート艦長

ド・クープラン(20代後半)
 トリステイン空海軍二等戦列艦『クーローヌ』掌帆長
 後にフリゲート艦長

※ラ・ラメー伯爵(40手前)
 トリステイン空海軍の艦隊司令長官

マリー・ブランシュ・ド・セルフィーユ(0)
 リシャールとカトレアの娘
 転生者
 元は主人公の原型

ヴァンサン(40頃)
 ラ・ロシェールの口入れ屋
 見かけは裕福な商人風

アレクサンドル・フランシス・ド・ラ・ラメー(61)
 ラ・ラメー伯爵の叔父
 領空海軍司令官兼『ドラゴン・デュ・テーレ』艦長
 後にセルフィーユ王国海軍司令長官、ラ・ラメー男爵

ナタン・ド・ビュシエール(59)
 『ドラゴン・デュ・テーレ』号副長

オーブリー・メイトランド(20代)
 アルビオン王国在トリステイン大使館セルフィーユ分館の書記官
 下級貴族で軍官僚
 後にアルビオン王国在セルフィーユ大使館代理大使

トゥルヌミール男爵(40代)
 王領都市リールの代官
 借金の申し込みに来る

※シェフィールド(30頃)
 ガリア王ジョゼフ一世の使い魔
 ミョズニトニルン

エクトル(60頃)
 『ドラゴン・デュ・テーレ』号士官で銃兵をまとめた

ルイ・アルベール(60頃)
 『ドラゴン・デュ・テーレ』号士官で火のメイジ

マルスラン(60頃)
 『ドラゴン・デュ・テーレ』号士官でメイジ

ユルバン(60頃)
 『ドラゴン・デュ・テーレ』号士官で操舵手

ベロム男爵オクタヴィアン・ピエリック・ド・ラコルデール(30代)
 貴族院議員で主人公の逮捕状執行の見届け人

ルイ・フェルディナン・ド・マラルメ(30代)
 高等法院の上級司法官で主人公の逮捕担当者

リュゼ公爵(40代後半)
 貴族院の議長で主流派の中心人物
 ラ・ヴァリエールやマザリーニとは不仲
 リシュリューになり損ねた人的なイメージで

ヴェルソワ伯爵(30代)
 貴族院議員で主流派
 腰巾着

ル・リッシュ侯爵(40代)
 貴族院議員で中道派
 どっちつかず

ピエール・オクターヴ・ド・シャミナード(60前後)
 『カドー・ジェネルー』号艦長

ジェフロワ・ド・グラモン(19)
 グラモン伯爵家三男で王軍士官
 現在はブラバント連隊司令部付き

※デムリ(30代)
 トリステイン王国王政府財務担当国務卿
 ☆アラス男爵アンリ・コワフィエ・ド・デムリ
 原作でも機転の人だったので上手く動かしたいところ

シャティヨン(40代)
 トリステイン空海軍の提督
 逮捕の後昇進

☆アンリ・ド・トリステイン(−)
 マリアンヌ王后の亡夫でアンリエッタの実父
 元アルビオン王弟大公ヘンリー・オブ・カンバーランド、アルビオン国王ジェームズ一世の実弟
 後に前トリステイン国王アンリ四世
 カンバーランド大公位はトリステイン王位継承時に返上

ジャック・フェルディナン・ル・ブラン・ド・リーニュ(40頃)
 ラ・ヴァリエール公爵の従兄で現リーニュ侯爵

カジミール・エドモン・ル・ブラン・ド・リーニュ(10)
 リーニュ侯爵の第四子で末の息子

☆アルチュール・マラン・ド・リッシュモン(50代)
 トリステイン王国高等法院長
 リッシュモン伯爵にしてドルー男爵の二重称号を持つ法衣貴族
 本物の売国奴で文字通りセルフィーユをガリアに売った

アーサー(40手前)
 リッチモンド商会会頭にして西ダータルネス貿易組合代表
 正体はスターリング侯爵家家宰サイモン・トレンス

リッジウェイ大将(60頃)
 アルビオン王立空軍本国艦隊司令長官、砲戦主義者
 ロサイス叛乱に際して謀殺された

※ジュリアン(13)
 シエスタの弟
 ラ・ラメー艦長の従卒

コルネーユ(30頃)
 セルフィーユの城の料理長

レジナルド(30代)
 リシャールがアルビオンより預かった料理人

ラトヴィッジ(30代中盤)
 アルビオン籍の小型商船『タモシャンター』号船長

マチュ(60手前)
 セルフィーユ家に勤める年輩の御者

ナタリー(15)
 セルフィーユ家のメイド
 シュレベールの出身

ジェルメーヌ(24)
 セルフィーユ家のメイドで水メイジ
 城内女性メイジのまとめ役で序列第三位、既婚
 夫は未登場ながら王政府の官僚、後に叙任

オリヴィエ(40手前)
 新教徒のガリア移民
 ジネットの父でセルフィーユ庁舎の主任司法官
 後にセルフィーユ王政府法院長、勲爵士に叙任

※マルシヤック公爵(70後半)
 セルフィーユの独立と再併合に賛成した
 原作では内政に優れ後にアルビオン代王として即位

フレンツヒェン(30代)
 フレンツヒェン・フォン・ハイドフェルド
 新教徒のゲルマニア移民
 庁舎の主任行政官で後にセルフィーユ王政府国家宰相兼内務担当国務卿
 ハイドフェルド男爵

エミール(50代)
 サン・ロワレ村長

シルヴァン(17)
 セルフィーユ家に勤める若い御者

ミリアム(13)
 ジネットの実家のメイド

アレット(14)
 ジネットの妹

マリー・クリスティーヌ(40手前)
 ジネットの母で水のメイジ
 魔法薬学に詳しい

ガブリエーレ(30頃)
 フレンツヒェンの妻
 アウグステンブルグの出身

テレンツィオ(20代後半)
 セルフィーユ領軍の砲兵隊長
 ロマリア出身

オディール・ド・ルーセ夫人(40過ぎ)
 ルーセ男爵夫人で王宮のマリアンヌ付きの女官

ミスタ・タルブリエシュ(60代)
 トリステイン魔法学院の老教師

※オールド・オスマン(年齢不詳)
 トリステイン魔法学院の学院長
 原作にて100歳とも300歳とも

※マルトー(30代中盤)
 トリステイン魔法学院の料理長

ラ・ゲール(40手前)
  トリステイン王政府の外務担当国務卿で現ラ・ゲール侯爵

※ジュール・ド・モット(30代)
 好色で著名なトリステインの王宮勅使で現モット伯爵
 二つ名は『波濤』

ポール(20代)
 タルブから醤油と味噌の製法伝授に来た夫婦の夫の方

エメ(20頃)
 タルブから醤油と味噌の製法伝授来た夫婦の妻の方

※ギーシュ・ド・グラモン(16)
 魔法学院でのクロードやルイズの同級生、二つ名は『青銅』
 グラモン伯爵家四男で土のメイジ
 見た目は悪くないがお調子者で服装のセンスは独特

※マリコルヌ・ド・グランドプレ(16)
 魔法学院でのクロードやルイズの同級生、二つ名は『風上』
 グランドプレ子爵家子息で風のメイジ
 ふとっちょで健啖家

※モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ(15)
 魔法学院でのクロードやルイズの同級生、二つ名は『香水』
 モンモランシ伯爵家息女
 魔法薬学に詳しい水メイジでお洒落さん

※タバサ(14)
 魔法学院でのクロードやルイズの同級生、二つ名は『雪風』
 本名シャルロット・エレーヌ・オルレアン
 元ガリア王国シュヴァリエ(剥奪)、オルレアン大公息女
 本の虫、物静かに見えて鋭い一言、キュルケの親友

☆レイナール・アロワ・ド・ノアイユ(16)
 魔法学院でのクロードやルイズの同級生、二つ名は未定
 ノアイユ侯爵家子息で火のメイジ
 生真面目な性格で眼鏡をかけている
 フルネーム知りたい……

アベル(30頃)
 庁舎の農林水産関連の担当者

カルヴィン(50代)
 ラ・クラルテ村の村長

※ジョゼフ一世(40代)
 『無能王』とも揶揄されるガリア王国国王
 その実策謀家にして希代の指導者で虚無の担い手
 セルフィーユを王国にした張本人
 この人も少し時計を早巻きした

※イザベラ・ド・ガリア(十代後半)
 ジョゼフ王の娘でタバサの従姉
 北花壇警護騎士団の団長

※アルブレヒト三世(40代)
 帝政ゲルマニアの皇帝
 領土拡張欲を隠そうとしない貧欲な指導者
 虚無騒動がなかったら政治的に一番面白そうな人物だったが割食ってる

※バリベリニ(30代)
 ロマリア連合皇国枢機卿団所属助祭枢機卿
 新教皇の腹心で諸国会議で教皇代理人を任じられていた
 原作で新生ガリアの宰相となった人

☆クリスティーヌ・ミレーユ・オルレアン(30代)
 ガリア王弟シャルルの妻でオルレアン大公妃、タバサの母親
 エルフの秘薬で心神を喪失していたが投薬により治療済み
 シャルル死後、薬を飲む前でさえ理詰めで叛乱を押さえてた人
 今後は復讐したいタバサの気持ちと少し差が出るかも?

※ペルスラン(50頃)
 オルレアン家の執事
 信心深く忠義に厚い

オノレ(18)
 セルフィーユ王国陸軍一等兵でラッパ手

ブルーノ(20代中盤)
 セルフィーユ王政府の書記官

☆エンゲルベルト・シュテファン・フォン・クルデンホルフ(40手前)
 クルデンホルフ大公
 不興を買うと首が締まるのでトリステイン王家、マザリーニ、ラ・ヴァリエール家を恐れている

☆エドワード・オブ・モード(−)
 アルビオン王ジェームズと前トリステイン王アンリの実弟でティファニアの実父
 元アルビオン王国財務監督官、モード大公
 叛乱未遂を理由に逮捕処刑されている

ティッタリントン少将(60頃)
 アルビオン王立海軍本国艦隊隷下ロンディニウム駐留艦隊副司令官

マーティン・オルドリッジ(40前後)
 アルビオン王立レスターシャー予備連隊連隊長

リンドグレーン提督(40過ぎ)
 アルビオン王立空軍討伐艦隊提督

フレデリック・ウォーレン(20代中盤)
 アルビオン王立空軍から派遣された連絡士官

モートン海尉(20過ぎ)
 スカボロー警備艦隊司令部付きの士官

アンソニー・ミドルトン(30前後)
 コルベット『クライヴ』の艦長

モントルイユ男爵(30半ば)
 新任のトリステイン王国在セルフィーユ大使

ヘイスティングス(40後半)
 戦列艦『ウォースパイト』艦長代行、平民出の海尉

※パリー(60後半)
 テューダー家の皇太子付き執事、メイジ

ウィリアムズ、ウィルフレッド、ウィリス、ウェンライト
 ウェールズ皇太子の影武者たち

アンソン(年齢不詳)
 『ドラゴン・デュ・テーレ』の上層砲甲板前部砲長
 つるっとした禿頭のがっしりした男

ステイプルトン男爵オズウェル(30前半)
 セルフィーユを訪れたレコン・キスタの密使

アイリーン(20手前)
 セルフィーユ家のメイド

※ミス・ロングビル(23)
 トリステイン魔法学院勤務、オールド・オスマンの秘書
 怪盗フーケでもある
 本名マチルダ・オブ・サウスゴータ










■登場艦船便覧

 かなり適当!

 目安としては……
 ・大砲は大きいほど威力があって、同時に装填速度が遅くて本体重量も重い
 ・船体は大きいほど耐久力に優れるが、鈍重になる
 ・一般的に、軍艦は高性能な分人手のかかる帆を使い、商船は経費を減らす為に経済性に優れた帆を使う
 ・戦列艦は船体が太くて頑丈、フリゲートは細くて身軽、商船は太いが脆弱
 ・現代の軍艦と違い、極一部以外は砲台に固定された大砲はないので積み卸しが可能
 ・旗艦設備の有無や御召艦装備など、直接的な戦闘力を犠牲にする要素で砲力が上下する


『ベルヴィール』
 25メイル級水上商船
 武装/12リーブル砲4門
 船籍/トリステイン王国→セルフィーユ王国
 船長/ブレニュス
 備考/セルフィーユ沖で座礁後引き上げ修理、書類上は2代目

『アンフィオン』
 50メイル級フリゲート
 武装/24リーブル砲24門、18リーブル砲12門
 船籍/アルビオン王国
 艦長/サー・ウィルフレッド・ブレイスフォード
 備考/アルビオンの最新鋭高速フリゲート

『ラ・レアル・ド・トリステイン』
 60メイル級二等戦列艦
 武装/32リーブル砲34門他
 船籍/トリステイン王国
 備考/トリステインの御召艦

『メルカトール』
 85メイル級一等戦列艦
 武装/36リーブル砲44門他
 備考/トリステイン空海軍総旗艦

『サン・ルイ』
 100メイル級一等戦列艦
 武装/64リーブル砲48門他
 船籍/ガリア王国
 備考/園遊会に現れたガリアの最新鋭巨艦、戦時には竜騎士12騎を搭載可能

『クーローヌ』
 65メイル級二等戦列艦
 武装/32リーブル砲38門、24リーブル砲30門他、合計90門
 船籍/トリステイン王国
 艦長/ジェフロワ・ド・フーレスティエ
 備考/『ラ・レアル・ド・トリステイン』と略同型、船体が多少長い

『アラクリティー』
 50メイル級重装フリゲート
 武装/24リーブル砲30門、18リーブル砲10門、6リーブル砲6門
 船籍/アルビオン王国
 備考/『ドラゴン・デュ・テーレ』の前身

『インプラカブル』
 40メイル級フリゲート
 武装/18リーブル砲20門、12リーブル砲8門
 船籍/アルビオン王国
 備考/『カドー・ジェネルー』の前身

『ドラゴン・デュ・テーレ』
 50メイル級商用フリゲート
 武装/18リーブル砲10門、6リーブル砲6門
 船籍/トリステイン王国→セルフィーユ王国
 艦長/アレクサンドル・フランシス・ド・ラ・ラメー
 備考/セルフィーユの御召艦兼王国空海軍旗艦

『カドー・ジェネルー』
 40メイル級商用フリゲート
 武装/18リーブル砲6門、6リーブル砲4門
 船籍/トリステイン王国→セルフィーユ王国
 艦長/ピエール・オクターヴ・ド・シャミナード
 備考/トリスタニアとセルフィーユを結ぶ定期航路に就航

『ヴィジラント』
 80メイル級一等戦列艦
 武装/36リーブル砲36門他、合計102門
 船籍/アルビオン王国
 備考/ウェールズの乗艦

『ヴァリアント』
 80メイル級一等戦列艦
 武装/36リーブル砲36門他、合計102門
 船籍/アルビオン王国
 備考/アルビオンの御召艦、『ヴィジラント』の同型艦

『トライアンフ』
 60メイル級二等戦列艦
 武装/32リーブル砲36門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/グレンジャー侯爵の乱の鎮圧に参加

『デバステーション』
 100メイル級一等戦列艦
 武装/36リーブル砲50門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/リッジウェイの艦隊司令官時代の乗艦、カレドニア盟約討伐時に中破

『アロガント』
 80メイル級二等戦列艦
 武装/36リーブル砲38門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/新鋭の戦列艦、カレドニア盟約討伐時に爆沈

『シュルーズベリー』
 65メイル級二等戦列艦
 武装/36リーブル砲34門、18リーブル砲20門他
 備考/武勲艦、カレドニア盟約討伐時に乗員の大半が死亡

『ロイヤル・ソヴリン』
 200メイル級一等戦列艦
 武装/96リーブル砲60門他、合計108門
 船籍/アルビオン王国
 備考/『レキシントン』の前身、公試中に行方不明

『ヴェリテ』
 40メイル級両用フリゲート
 武装/18リーブル砲20門、12リーブル砲10門
 船籍/空賊(ガリア王国の『プワゾン』作戦による)
 備考/元ガリア王国『ル・テメレール』級フリゲート『ル・テリブル』、『サルセル』の前身

『サルセル』
 40メイル級両用フリゲート
 武装/18リーブル砲20門、12リーブル砲10門
 船籍/トリステイン王国→セルフィーユ王国
 艦長/(アレクサンドル・フランシス・ド・ラ・ラメー他)
 備考/空賊船『ヴェリテ』の後身、保管艦

『タモシャンター』
 25メイル級商船
 武装/6リーブル砲4門
 船籍/アルビオン王国(レコン・キスタ)
 船長/ラトヴィッジ
 備考/アルビオンとセルフィーユを結ぶ定期航路に就航、船籍偽装

『アンバスケイド』
 50メイル級重装フリゲート
 武装/24リーブル砲30門、18リーブル砲10門、6リーブル砲6門
 船籍/アルビオン王国
 備考/『アラクリティー』級三番艦

『デファイアンス』
 90メイル級一等戦列艦
 武装/36リーブル砲46門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/対レコン・キスタ討伐艦隊旗艦、リンドグレーンの乗艦

『クライヴ』
 20メイル級コルベット
 武装/6リーブル砲4門
 船籍/アルビオン王国→レコン・キスタ→セルフィーユ王国
 艦長/アンソニー・ミドルトン
 備考/元アルビオン王立空軍所属、連絡任務中『ドラゴン・デュ・テーレ』により拿捕

『マリオン・クレイトン』
 30メイル級商船
 武装/9リーブル砲6門
 船籍/アルビオン王国→レコン・キスタ→セルフィーユ王国
 備考/徴用船舶、輸送任務中『ドラゴン・デュ・テーレ』により拿捕

『フォーティテュード』
 50メイル級三等戦列艦
 武装/32リーブル砲24門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/対レコン・キスタ討伐艦隊に参加、サウスゴータ襲撃時に中破

『ウォースパイト』
 70メイル級二等戦列艦
 武装/36リーブル砲40門他
 艦長/ー、(ヘイスティングス)
 船籍/アルビオン王国
 備考/ロサイス撤退時に艦首部喪失、後にセルフィーユへと脱出

『センチュリオン』
 45メイル級フリゲート
 武装/24リーブル砲20門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/ロサイス撤退時に船体およびマスト破損

『サウスオール・スター』
 40メイル級商船
 武装/12リーブル砲4門
 船籍/レコン・キスタ→セルフィーユ王国
 備考/徴用船舶、回航中『ドラゴン・デュ・テーレ』により拿捕

『イリジスタブル』
 65メイル級二等戦列艦
 武装/32リーブル砲38門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/ロンディニウム防衛集成第二艦隊旗艦

『コリングウッド』
 40メイル級スループ
 武装/12リーブル砲14門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/援軍要請の為各国を歴訪

『アーデント』
 55メイル級三等戦列艦
 武装/32リーブル砲26門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/スカボロー陥落後セルフィーユへと脱出

『グラフトン』
 30メイル級スループ
 武装/12リーブル砲8門他
 船籍/アルビオン王国
 備考/スカボロー陥落後セルフィーユへと脱出

『アナステシアス』
 40メイル級商船
 武装/9リーブル砲6門
 船籍/アルビオン王国
 備考/徴用商船で補給艦に指定、スカボロー陥落後セルフィーユへと脱出

『イーグル』
 50メイル級フリゲート
 武装/24リーブル砲24門、18リーブル砲12門
 船籍/アルビオン王国
 備考/『アンフィオン』級の略同型艦、後にアルビオン本国艦隊旗艦、御座艦

『イプスウィッチ』
 40メイル級フリゲート
 武装/24リーブル砲16門、12リーブル砲10門
 船籍/アルビオン王国
 備考/スカボロー脱出時、『イーグル』に追随

『レキシントン』
 200メイル級一等戦列艦
 武装/80リーブル長砲身砲60門他、合計114門
 船籍/レコン・キスタ→神聖アルビオン共和国
 備考/『ロイヤル・ソヴリン』の後身、レコン・キスタ革命艦隊旗艦

『ルタンティール』
 40メイル級フリゲート
 武装/24リーブル砲14門、12リーブル砲12門
 艦長/ガスパール・ド・グラモン
 船籍/トリステイン王国
 備考/6241年就役の新造艦

『アルブレヒト・デア・グローセ』
 120メイル級一等戦列艦
 武装/64リーブル砲54門、24リーブル砲40門他
 船籍/帝政ゲルマニア
 備考/皇帝アルブレヒト三世のお召し艦、ガリアの『サン・ルイ』に対抗して建造された









■南船北竜/茨道霧中 小年表

6225年 リシャール0歳
 ヤラの月(1月)
   降臨祭休暇中にリシャール誕生

6237年 リシャール12歳
 ウルの月(5月)
   初陣を済ませる アーシャ召喚 ラ・クラルテ商会設立 アルトワを出立
 アンスールの月(7月)
   ギーヴァルシュ領北モレー村に海産物加工場を設立
 ギューフの月(11月)
   ギーヴァルシュ領ギーヴァルシュに海産物加工場を設立

6238年 リシャール13歳
 ヤラの月(1月)
   ラ・ヴァリエール領訪問滞在
 ティールの月(3月)
   叙爵内定 ラ・ヴァリエール家次女カトレアと婚約
 フェオの月(4月)
   セルフィーユ男爵として叙爵
   ラマディエ、シュレベールの2領地を拝領
 ラドの月(9月)……ガリア国王崩御
   宗教庁の布告でセルフィーユ周辺がセルフィーユ司教区に移管される
   セルフィーユ司教座聖堂の新築開始
 ケンの月(10月)……アルビオンで王弟モード大公叛乱未遂、ガリア国王にジョゼフ一世即位
   ドーピニエ領がセルフィーユに併合される 
 ウィンの月(12月)……ガリアで王弟シャルル暗殺
   製鉄所が試験稼働する

6239年 リシャール14歳
 ヤラの月(1月)
   ラ・ヴァリエール家次女カトレアと結婚
   子爵に陞爵 王家より街道工事の勅命下る
 ティールの月(3月)
   急激に人口が増加する(新教徒の流入始まる)
   製鉄所が正式稼働する
   セルフィーユ司教座聖堂が一応の完成をみる
 フェオの月(4月)
   第1回感謝祭が催される
   武器工廠がマスケット銃の製造を開始する
 アンスールの月(7月)……ラグドリアン湖畔にて園遊会、アルビオンにて叛乱発生
   マリアンヌ王后の誕生日を祝う園遊会がラグドリアン湖畔で催される
   ラ・ファーベルの名を下賜される
   アルビオン王国のウェセックス伯爵訪問
   帝政ゲルマニアのツェルプストー辺境伯息女キュルケ訪問
 ニイドの月(8月)
   武器工場が新型4リーブル野砲/船舶砲を試作
 ラドの月(9月)
   セルフィーユ司教座聖堂付き聖堂騎士隊長に就任
   特使に任命されアルビオンへと赴く
 ケンの月(10月)……ロマリア教皇崩御、新教皇即位
   任務を終えて帰国
   長女マリー・ブランシュ誕生
 ウィンの月(12月)
   ラマディエ近郊に空港の建設が始まる

6240年 リシャール15歳
 ヤラの月(1月)
   『ドラゴン・デュ・テーレ』『カドー・ジェネルー』、セルフィーユに到着
 ハガルの月(2月)
   マスケット銃納入のためアルビオン訪問
   帰路空賊の襲撃を受ける
 ティールの月(3月)
   逮捕収監直後に無罪にて放免される
   伯爵陞爵と同時にサン・ロワレ、エライユ、ラエンネック、ル・テリエの4領を拝領
   シュヴァリエの称号とトリステイン王国王軍予備役准将も拝命
 フェオの月(4月)
  第2回感謝祭が催される
 ウルの月(5月)
  セルフィーユ〜トリスタニア間の航路開設
  王室見聞役を拝命する
  4リーブル散弾砲を試作
 ニイドの月(8月)……アルビオンにて戦列艦『ロイヤル・ソブリン』行方不明事件
  アンリエッタ王女の立太子式が行われる
 ラドの月(9月)……アルビオンにて叛乱発生
  セルフィーユ〜ロンディニウム〜ダータルネス間の航路開設
  見聞役として奏上、経済政策検案の密命を受ける
 ウィンの月(12月)
  見聞役として奏上

6241年 リシャール16歳
 ヤラの月(1月)
  次期宰相就任の噂が立ち始める
  ツェルプストー辺境伯息女キュルケ滞在
 ハガルの月(2月)
  見聞役として奏上
 フェオの月(4月)
  第3回感謝祭が催される
  侯爵陞爵後に出奔独立せよとの密命が伝えられる
 ニューイの月(6月)
  侯爵に陞爵
 アンスールの月(7月)……ガリア王国王都リュティスにて諸国会議開催 
  魔法学院の学生が滞在
  諸国会議にてセルフィーユ王国成立が承認される
  リシャール一世として即位戴冠
  謁見のためロマリア訪問
 ニイドの月(8月)……セルフィーユ王国建国
  ガリア王国オルレアン大公家受け入れ
  建国の宣言が発布される
  セルフィーユ王国建国
  クルデンホルフ大公エンゲルベルト訪問
 ラドの月(9月)……アルビオンのロサイス軍港で大規模な叛乱発生
  アルビオンを表敬訪問
 ケンの月(10月)……サウスゴータ陥落、レキシントン会戦
  リシャール帰国
  『ドラゴン・デュ・テーレ』第一次需品輸送に出航
 ギューフの月(11月)……レキシントン会戦、第一次ロンディニウム攻防戦
  『ドラゴン・デュ・テーレ』帰還
  『ドラゴン・デュ・テーレ』第二次需品輸送に出航
 ウィンの月(12月)……第二次ロンディニウム攻防戦、ロンディニウム陥落
  『ドラゴン・デュ・テーレ』帰還
  『ドラゴン・デュ・テーレ』第三次、第四次需品輸送に出航

6242年 リシャール17歳
 ヤラの月(1月)……スカボロー陥落
  『ドラゴン・デュ・テーレ』帰還
  王党派残存艦隊の一部、セルフィーユに退避
 ハガルの月(2月)
  『ドラゴン・デュ・テーレ』第五次需品輸送に出航
  『ドラゴン・デュ・テーレ』帰還
  『ドラゴン・デュ・テーレ』訓練航海に出航(第六次需品輸送)
 ティールの月(3月)
  『ドラゴン・デュ・テーレ』帰還 王党派の非戦闘員、セルフィーユに退避
  レコン・キスタの使者セルフィーユを訪問
 フェオの月(4月)……原作開始、ニューカッスル陥落
  第4回感謝祭およびリシャール一世即位記念大観艦式が催される
  サイト・ヒラガ召喚









■南船北竜/茨道霧中の税制
   〜もしくは、作中の国家財政を如何に『わらしべ』したか〜


 以下に少しばかり、反省や考察?などを兼ねた裏話を少々。
 無論、読み飛ばしていただいても本編を読むのに支障はありません。

 原作ありきで準拠しようとは思いつつも、書かれていないことや矛盾点は幾つも出てくるわけで……。
 どちらかと言えば原作者ヤマグチノボル氏の描く、実際のゼロの使い魔の世界観とは多少異なる解釈になるかと自分でも思っています。
 書いていく上である程度の整合性は持たせたいわけですが、本編に書かれていること以外は、実際の中世ヨーロッパの資料や自分の持つ知識を参考に想像と独自の計算をしていくことになります。

 書いているうちに、様々なことがありました。
 自分の中の常識がどんどん崩れていくのです。特に描写する上で欠かせない様々なものの市場価格には、驚かされました。
 もちろん、ハルケギニア=ヨーロッパではないのですが、拠り所として各種資料や書籍はこれからも使っていきたいと思っています。
 他にも、以前に感想でペーパーカートリッジは使わないのかと問われて使わないと答えたものの、原作の既刊中でとっくに描写が出ていたり、その節は失礼しました。

 しかしこの中近世というのは実にくせ者で妙に幅が広く、ゼロの使い魔という作品はその辺りがモデルであろうとは思えても、魔法が存在することで技術年代および生活年代の比定がとてもやりにくかったです。
 ゼロ魔には、15世紀でも18世紀でも、あるいは部分的には19世紀20世紀でも受け入れてくれる懐の広さがありました。ですがこれを決めておかないと、色々とぶれてしまいます。即席学生士官ギーシュの所属したド・ヴィヌイーユ大隊のように、槍持ちの兵士(17世紀末には主力ではなくなる)がマスケット銃(新式)や火縄銃(旧式)を装備した部隊を守っていた時代はそう長くはありません。エルフに至っては、甲鉄艦に砲郭式砲塔に施条式後装砲ともう何が何やら……。モデルとなった三銃士に近い、大凡16世紀後半から17世紀前半であろうと狙いを定めてはいましたが、結局は都合のいいように歪め、嘘に嘘を塗り重ねる作業に力を注ぐことになりました。

 困ったと言えば、生活費や手近な物の値段とは逆に、国家規模の予算はどうなってるのかというものがありました。目を逸らしていても良いのですが、数字があるとそれらしく聞こえるので、多少はでっちあげた方がいいなと無理矢理ひねり出したものです。
 仮定に仮定を重ねると、本来の結果からずれていってしまうことは重々承知していましたが、想像の翼を広げること、これもまた二次創作を書く上での醍醐味かと開き直るしかありません。

 まず、平民への課税が難問でした。
 極端な例ですが、日本ではたばこの価格に占める税率64.5%(JTのホームページより、消費税含む)はかなりの重課税商品とされていますが、当時の商人が陸路を長距離移動する場合、道中の各領主が置く関所で商品に対する関税と荷馬車と旅人の通行料である道路税を支払い、川があれば渡し賃の他に渡河税を払い、運悪く川の中心が領境であればそれが二倍……と商品価格の8割9割は税金であることが「普通」であったとする実話もあるそうで。
 ああ、「地球なめんなファンタジー」ってそういう……。
 教会勢力の要求する10分の1税は濁しましたし、国内の関所は撤廃、商人4割(本拠地と現地で半々)その他3割、作者の頭がついていかないので単純化しました。

 次いでその額の算定ですが、このあたりから更に眉唾ものの超理論になります。ご注意を。
 原作のド・オルニエール領の「数十人の老人で年2000エキュー」。ここから簡単に50人で男女比1:1として一人頭40エキューの税収、これを基礎としました。全員が葡萄畑で働いているわけではないでしょうし、夫は農作業やその他の職に就いているとしても、妻は内職か家事を行っている(=収入としては夫を下回る、もしくは無収入)、妻に先立たれた老人もいれば夫に先立たれた寡婦もいるでしょうから、つまり平均化が成り立つものとしました。……中には刺繍や機織りが上手で夫以上に稼ぐ妻もいるかも知れませんが、それはさておき。
 ちなみに前年比で5倍に増えたブリミル歴6239年末のセルフィーユ領の総税収64000エキューは年末当時の人口2000人で割り算すると一人当たり32エキューで、実はド・オルニエール領の仮定よりもまだ低い値です。
 この一人頭40エキューの税収をどう見るかでトリステインの予算規模は大きく変わるのですが、平均的なものとして扱うことにしました。理由は、他に参考にすべきものがなかったからです。ただ、都市部では高く田舎は低い(発展した領地では高く寂れていれば低い)という一般的な理論は成り立ちそうですから、トリスタニアから極度に離れていないド・オルニエール領は……どうなんでしょうね? 働き盛りの人居ないし……。とまあ、このぐらい根拠のない、いい加減な推察であります。
 他に参考になるものはと言えば、「トリスタニア市民の1年の生活費は120エキューほど」。これに税金は含まれるのか否か。これも実際はわかりませんが、原作の前後の文脈からは含まれていないような感じです。1人40エキューと出た税額と極端に離れた金額とも言えないので、そう外れたものではあるまいと強行しました。
 ついでに17世紀頃の資料を引っぱり出して、一般労働者の収入から税を引いた可処分所得に占める食費が5割、家賃が3から4割と導き、同様に当時の物価資料よりエキュー換算を行って基本的な物価を決めています。

 その上でトリステインの人口150万人(ガリアとの国土面積比1/10、向こうは人の住んでいなさそうな火竜山脈があるけど、1600年頃の、オランダとベルギーとルクセンブルグを合わせたような国ネーデルランド王国の人口が150万、こんなものかな、と……?)、貴族の比率5%(これもトリステインが貴族至上主義っぽいので他国に比して多い方に見積もっています。根拠は官吏や士官を全員貴族とし、中近世当時の支配階級や公職に就いていた人数/人口比から割り出す……)と「仮定」して計算するわけですからもう無茶苦茶です。

 更には国土の王領比4割と、かなり王家と王政府に甘い設定に引き上げました。後述しますが、それ以下だとこの設定では国が持たないのです。

 さて、ここで平民一人頭40エキューの税額を基礎としてトリステインの人口150万より5%少ない142.5万人分を掛けると5700万エキューの税収が得られます。この5700万エキューの4割は王政府の直接収入として2280万エキュー、残りの金額の2割(これも少な目にしました。軍役だの地方公務員に相当する家臣の給与など、こっちはこっちで割と青色吐息な状況になっています。原作外伝3巻のロドバルド男爵家でユルバン老人だけが槍持ち兵士をしていた外伝の描写は、予算面から見ると割に説得力があるほど)を諸侯領からの貢納金として684万エキュー、合算して2964万エキューなのですが、これをそのまま国家予算とすることは出来ません。法衣貴族の年金が大きなウエイトを占めます。
 仮に全員が勲爵士で年金500エキュー、75000人いる貴族のうちの半数が年金を貰うとすれば、1875万エキューを用意しなくてはなりません。無論、上級の法衣貴族はそれ以上にたんまりと貰っているでしょうし、子供や幼児、夫人は貰っていないと思われますが、女貴族や寡婦には年金が付くでしょう。若いルネ・フォンクなどの事を考えると、一人立ち=給与(年金)は付くようですから、核家族的な計算(貴族年金を貰う父に妻と子供2人)は成り立たないと思われます。
 但し、この年金に掛かる費用は莫大なものの、同時に法衣貴族層は人材の供給源でもあり、数万人に及ぶ職業軍人と政府官僚の維持費用、そして独自の軍事力を持つ国内諸侯への押さえと考えればそう高いものではないのかもしれません。

 内政に外交、軍、王室の予算など、その他の全ては当然残りの1000万エキュー少々から出されるのですが、例えば建造費50万エキューの二等戦列艦(英国の戦列艦を基準にして当時の英ポンドから現代日本円に換算し、更にエキューに換算、もう嫌な汗がどんどん出てくる……)を艦齢20年で更新するとしても、20隻体制を維持するなら年に1隻は建造しなくてはなりませんし、補助艦艇も必要です。艦船の建造費だけで国家予算を使い尽くすわけにもいかず、艦艇や軍港にも維持費はかかります。
 原作では、復讐にとらわれたアンリエッタがアルビオン侵攻戦時に戦列艦50隻を建造しようとしてリッシュモンが諫めますが、上記の計算では国家予算の2.5倍に相当します。この時点でのリッシュモンの意図はともかく、ここだけ聞くと割にまともなこと言っていますね。いや、アンリエッタが無茶なのか。王家の拠出した財貨がどのぐらいなのか不明ですが、どちらにせよ、かなりの無理をしていそうです。ただ、原作外伝にて『大金持ちの貴族なら資産二千万エキュー」との記述がありますから、そこは始祖の血を継ぐ三王家の一家、楽ではないにしろ無理ではない金額の可能性もあります。
 結局はゲルマニアと「合算して」60隻の戦列艦がアルビオンへと向かいましたが、トリステインは一体何隻の戦列艦を有していたのやら。……それ以前に空海軍が乗組員700人の二等戦列艦20隻に必要な14000人の水兵に払う給与と食費の合計を仮に年額1人120エキュー(=都市部の平均賃金)とすれば、それだけで168万エキューとなってほんとに大丈夫なのか、15年更新の15隻体制が無難かと悩む始末です。ルイズの虚無で壊れたアルビオン共和国艦の中から修理されて再就役したフネもあるかもしれませんが……恐くて計算出来ません。そりゃあマザリーニが鳥の骨と呼ばれ、やつれていくのも仕方ないです。

 話を戻しますが、最初、国土に占める王領比を2割(ブルボン朝中期に於けるフランス王国国王直轄領の国土比、親族封土除く)にして見事に破綻、3割でも無理と思われたので4割としました。その上でド・オルニエール拝領の場面より、トリステインでは諸侯からも税が取れると知って救われる始末です。……男爵位以上の諸侯に免税特権(不輸不入権)があってもおかしくはないですが、そこはもう目を瞑りました。

 こうして書きながらも無理があるなあとは内心思っていますが、某かの拠り所がないともっと酷いことになるので、このあたりでご勘弁下さい。
 あくまでもハルケギニア南船北竜/茨道霧中についての拠り所であって、他の方のSSに於ける世界観解釈と相反する要素が満載かと思います。そも、原作と乖離している部分も多いです。
 トリステインの国力も、もっと余裕があるかも知れません。平民はもっと虐げられているかも知れません。原作に書かれていない部分は、想像するしかないのです。
 でもそれが個性だったり味付けだったり。
 他の方のSSを読ませていただいていて内政描写が出てくると、この作者さんはどこを基準に解釈を広げられたのかなと、そこから生まれてくる差違をあれこれ考える楽しみもありますね。











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